ゆめカフェ

夢叶うサードプレイス

【誕生秘話vol.9】夢をかなえるための秘訣、の巻

絵と文さえ仕上げれば、絵本は完成したも同然と思っていたけれど、ゴールの目前に一番大きなハードルが残っていようとは……。

 

絵本の制作期間は、企画の段階を含めると、およそ一年半。振り返ってみると、この間に数々の難関があったが、もっとも大変だったのは何かと聞かれたら、間違いなく最後の1か月を挙げるだろう。

 

これまでの仕事では、原稿を書いたら、編集者に渡して仕事は完了。数か月後に、きれいな誌面になって届く。つまり、ライターの私には、絵と文を「絵本のカタチにする」という経験がなかった。印刷所を探すところから始まり、細かい部分の校正、デザイン、関係各所との最終調整、印刷所とのやりとり、製本……。何から何まで、ほぼ初めての経験である。慣れないことだらけで、ほとほと疲れ果ててしまった。

 

しかし、本が完成するまでに、文章を書くこと以外に、どれほど多くの人たちの労力がかかっていたか身にしみて分かった。いままで、分かっているつもりでいたけれど、知っているのと、やってみるのとでは、大違い。あのまま順調にライターの仕事だけ続けていたら、気がつかなかっただろう。あらためて、感謝の念がわいた。 

 

もうひとつ、夢をかなえるために、大切なことを知った。それは、人と人、グループとグループの連携の輪を広げること。今回のプロジェクトでつまずいた点も、絵本プロジェクトのメンバーだけで話し合っていたが、輪を広げていろいろな人の意見を聞いていれば、もっと簡単に解決していただろう。

 

今では、以前よりも地域の人とのつながりが広がり、この問題ならAさん、あの問題ならBさんと、サポートを頼める人の顔が浮かぶようになった。さらに大きく輪が育っていけば、いろんな人のいろんな夢が、どんどんかなっていくような、そんな気がしている。