今、何か気持ち悪いことはない? 中野裕弓(元世界銀行人事カウンセラー)
『運の流れにのる、たったひとつの方法 「捨てること」からはじめよう!』中野裕弓著(大和出版)
著者の中野裕弓さんは、普通のOLから世界銀行本部にヘッドハントされたすごい方。ベストセラー『世界がもし100人の村だったら』の原文を日本に初めて紹介した人としても知られています。
中野さんが編み出した、運の流れにのるたったひとつの方法は、
「いらないものを捨てること」
部屋、もの、時間、心、体……、「何か気持ち悪いことはない?」と自分に聞いて、気持ち悪いことはさっさと手離す。いらないものを捨てたら、からっぽのスペースが生まれます。
「からっぽのスペースに、今、入れたいものは何?」。
魔法の呪文を唱えると、あら不思議。いらないものの山に隠れていた、本当にやりたいことが見える。ほんとうの気持ちが見える――。「ほんとうの気持ち」に従うことが、運の流れにのる秘訣なのだそう。
あなたが「ほんとうの気持ち」に従っていたら、だいじょうぶ。きっとうまくいきます。
中野さんによると、「ほんの小さな不快」を見つけるのがポイント。たとえば、手を洗ったあと水が床にたれるタオルかけの位置、壊れたままのクローゼットのドア、ぎゅうぎゅうにねじ込まれた郵便受け。
こうしたふだんは意識しないような小さな不快が、ガラクタのように積み重なって、「ほんとうの気持ち」を隠しています。
「気持ちが悪いな、不快だな、そう思うことがあったら後まわしにしないでぜひ改善してください」(中野さん)。
部屋、もの、時間、心、体。ひとつひとつ、端から端まで、注意深く丹念に眺めてみました。すると、出るわ出るわ、リストの項目を数えると、なんと70もありました。す、すごい……。今まで気がつかなかったけど、こんなにあったのね。夏の休暇を利用して、気持ちが悪いことを、徹底的に捨てて、捨てて、捨てまくろう。
とりあえず、リストの中から目についたものをひとつ。「仕事鞄の中にペンや修正液、音声レコーダー、名刺入れをそのまま入れているので、バラバラになって取り出しにくい」。
さっそく伊東屋へレッツゴー。飴色の革製のもので、手触りがよくて、仕事の小道具がひとつにおさまる大きさ……。ありました。現品限りの一品で、ところどころ傷はありましたが、これしかないと一目ぼれして即決買い。
細々したものを収納して、バッグがすっきり。気持ちが悪いことがひとつ減っただけで、風通しがよくなったような、気分がいいものです。
よし、この調子で、この夏捨てまくるぞ。