ゆめカフェ

夢叶うサードプレイス

仕事とは関係なく何かを楽しむことが重要なの KANAKOさん(カウンセラー)

ホームドクターならぬホームセラピストのKANAKOさんの言葉です。私の顔を見るたびに、耳にタコができるくらい、こう繰り返すのです。「仕事とは関係ない楽しみ」を見つけてください。仕事も趣味も、「何かにつながるから」とか「人の評価」ではなく、「自分が何に幸せを感じるかを中心にして考える」という習慣を身につけて下さい。

 最初はぴんときませんでした。なにしろここ20年、仕事以外に趣味と言えるものがありません。ダンス、縫物、映画、音楽、思いつく限りあれこれ試してみましたが、どれも夢中になる感覚がない。まあ無理にやることもないなとあきらめていたところ、ある日、ひょっこり降ってきました。

 2018年5月30日、朝のランニング&ヨガの最中に、文章がわーっとわいてきたのです。これを書き留めておきたいと思い、1年以上前にアドレスだけ取得していたブログにアップしました。それが、この「masasyuppanの日記」です。

 とくに続けるつもりもなかったのですが、その後、毎朝文章が浮かぶようになり、書き留めています。メモするのに忙しくて、ランニングではなくほとんど歩いてばかりということもあります。そして、ふと「ああこれが、KANAKOさんが言っていた〈仕事とは関係ない楽しみ〉なのでは」と気がついたのです。

 ブログを書くとき、「これが何かにつながるかも」とは考えませんし、もちろん原稿料もありません。ただ、浮かぶ文章を書き留めておきたいという衝動にしたがっているだけです。100%自分のためだけに書く文章。

 「書くことの何にそんなに惹かれているのか」と考えたとき、映画『レミーのおいしいレストラン』のワンシーンを思い出しました。主人公の天才シェフ(ネズミ!)が、料理の楽しさを音楽にたとえて表現する場面。食材のひとつひとつが美しいメロディーを奏で、それらを組み合わせて料理をすることで、絶妙のハーモニーが生まれる――。

 私にとって文章を書く楽しさは、まさにこれと同じ。たとえば、友人に聞いたエピソードと新聞で読んだ記事。バラバラだった二つの話を自分の言葉でくっつけたら、ワクワクする展開のストーリーが生まれる。ハーモニーになった瞬間、頭の中で曲のクライマックスが鳴り響きます。

 「レバレッジ」シリーズで知られる本田直之さんは、「仕事とは関係ない楽しみ」を見つける方法について、『強く生きるノート』(講談社)の中でこう述べています。 「僕は何かをやろうとするとき、お金を払ってでもやりたいことなのか、と考えます」。

 さらに、仕事とは関係なくスタートしたことが、ビジネスにつながる可能性もあると本田さんは言います。「お金を払ってでもやりたいことには、それだけ自分の熱意や能力を注げるので、それが最終的にはビジネスにつながったりするのです」。

 ここで、楽しい、おもしろいと思えるものをたくさん持つのがポイント。

 「最初はタネなので、極論を言えば、お金はもらえなくても、タネがいっぱいあれば、いずれ、どこかで何かになったりするわけです。もちろん、芽が出ないものもあると思います。僕にも結果的に、何にもならなかったものがいっぱいあります。そのうちの何個かが花開いて、ビジネスになった、というだけのことなのです」。

 心から楽しいと思っていることは、努力しなくても続くはず。「10年、20年と時間をかければ、何かが花開いてくる可能性が出てきます。そういう長いスパンで考え、取り組んでいくことが大切なのではないかと思っています」。

 ついビジネス頭になりそうなとき、本田さんのシンプルな問いを思い出します。「これは、お金を払ってでもやりたいこと?」。

 

「好きな仕事に情熱を燃やせば、あなたはその道でブレイクしないわけがないのです」『運の流れにのる、たったひとつの方法』中野裕弓著大和出版