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「一点豪華基準」で選ぼう!           ちきりん(”おちゃらけ社会派”ブロガー)

大きな決断をしたとき。本当にこれでよかったのかな、あとで後悔しないかな。よく考えて飛び込んだのに、納得したはずなのに、何度も気持ちが揺れる。そんなとき、スパーンと迷いを断ち切ってくれる言葉がこれ。 「〈一点豪華基準〉で選ぼう!」

 ちきりんさんによると、人が大事なことを決めるときの基準は、たいてい「総合評価方式」。たとえば、家を購入するとき、デザイン、利便性、自然環境、価格といった複数の選択肢について検討し、総合点で判断します。

 でも、たくさん選択肢があると、あれも大事、これも大事、どれも譲れないと、いつまでも迷ってしまいますよね。そこで、欲しいものはたくさんあるけど、その中で、自分にとって一番大事な点を「ひとつだけ」決めるのです(=一点豪華基準)。ひとつだけに絞ってしまえば、あとは簡単。一点豪華基準が一番優れている選択肢を選ぶだけ。あれこれ比較して迷うことはありません。

 ちきりんさんは、さらに重要なポイントを指摘しています。

「事前にどんなに慎重に検討して選んでも、選んだ後には必ず不満が残ります」

 そこでまず、あとから不満が出てくることを前提とすること。一点豪華基準で選んでおけば、たとえ不満が出たとしても、自分にとってベストな選択だったと満足できるというわけです。

 今の私にとっての〈一点豪華基準〉は、「時間を忘れて夢中になれること」

 夢中になれることを選べば、今日一日をハッピーな気分で過ごせる。まずはそれだけでOK。さらにプラスαのメリットもあります。没頭すれば集中力が高まって、自分にとって最高のパフォーマンスが引き出せる。クリエイティブな発想がわく。くるくる続けているうちに、やがていったん捨てたと思った他の選択肢も、自然にそろうかもしれません。

 決断をするために重要になるのが、デザイン、利便性、自然環境、価格のうち、「自分にとって最も大事な選択肢はどれか」を知ること。ちきりんさんは、本書の中でそう語っています。

 もう数か月前のことになりますが、「これは明らかに決断を誤ったな」と感じた一件がありました。AとBの選択肢があって、Bを選んだのだけど、間違いだったと悟った時点で、急いで引き返して、Aに移りました。痛手は大きかったけど、まだ取り返しがつく段階だったのがラッキーでした。

 代償が大きかっただけに、あとからなぜBを選んでしまったのかと後悔しましたが、一度体験したことで、「これだけはイヤ」というポイントが、身をもって分かりました。その後、Aに不満な点が見つかっても、とるにたらない小さなことと感じ、まったく気になりません。

 別のエピソードをもうひとつ。離婚経験がある友人の男性は、最初の結婚で、自分がパートナーに求めるたったひとつの条件が、はっきり見えたのだとか。再婚した女性は、”相当なじゃじゃ馬”だそうですが、10年以上たった今も、ラブラブカップルです。

 こうして振り返ってみると、手痛い失敗も「自分にとって最も大事な選択肢はどれか」を知るための、貴重な経験だったと言えるでしょう。失敗も悪くないかも。そう思えてきます。