ゆめカフェ

夢叶うサードプレイス

文章を書くコツ

文章を書くコツ

ライターという職業がら、たまに文章の書き方を教えてほしいと言われることがある。文章について特別な教育を受けたことはなく、コツのようなものも思いあたらないのだけど、どのようなことを考えて書いているのか、振り返ってみた。

 

誰に向けて書くのか定めよう、それが決まったら読者が興味を持つテーマを選ぼう、という話はよく耳にする。私自身は、ライターとして雑誌や広告の文章を書くときに、そのような事柄について考えたことはいまだかつて一度もない。文章を書くときに考えることはただ一つ。「自分が今何を読みたいか」ということである。

 

これか?いや違う、こっちか?いや違うといった具合で、自分の心にささる文章を自分の心に聞き、今の気持ちにぴたりとフィットする言葉を探し出す。その際、人のことは一切目に入らない。種明かしをすれば、ひたすら自己中心的な動機で文章を書いているというわけだ。

 

ついでに言えば、誤字脱字は多いし、文法もあやしいし、語尾を「ですます」か「である」に統一するといった最低限のルールすら守らない。なぜライターとして使っていただけるのか不思議で仕方がなかったが、今になって思うのは「自分が今読みたい文章」というのは、人も読みたい可能性が高い。そういえば、ヒット商品を生み出した人が「自分が欲しいものを作った」と話しているのを聞いたことがある。まずは自分がワクワク楽しみながら書くこと。それが、文章を書くうえで一番のコツと言えるのかもしれない。