【CHAPTER2】夢が叶う街、夢見ヶ崎「ひとりの主婦が絵本作家になる夢を叶えた物語」
「絵本制作の裏舞台」 ここでは、絵本を制作した約1年半の舞台うらを紹介します。絵本のイラストを担当したあずは、3人の子どもを育てながらパートの仕事をする主婦です。絵本作家になりたいという夢を持ちながら、育児や仕事に追われ、20年間、絵筆を握…
夢をかなえるためには、人と人がつながって、連携の輪を広げることが大切と、前のvol.9で書いたが、この地には、すでに地域の輪をひろげる場がある。 絵本プロジェクトと同じ年に立ち上がった、「~つながる ひろがる~ゆめみらい交流会」。幸区役所が…
絵と文さえ仕上げれば、絵本は完成したも同然と思っていたけれど、ゴールの目前に一番大きなハードルが残っていようとは……。 絵本の制作期間は、企画の段階を含めると、およそ一年半。振り返ってみると、この間に数々の難関があったが、もっとも大変だったの…
絵本のストーリーのなかで、もっとも大きな見せ場は、縄文時代、このあたり一帯が海だったという場面。このシーンを「最初」にもってくるか、「最後」にもってくるか。意見がまっぷたつに分かれた。 あずの描いた絵コンテでは、海のシーンが最後に登場する。…
プロジェクトのメンバーと話し合ったのは、絵本をどんな人に読んでもらいたいか。ターゲットは、幼稚園、保育園、小学校低学年くらいまでの子供とその保護者。小さな子供でも理解しやすいように、テンポよく読めるように、短い文章にする。 しかし、ストーリ…
初夢に、絵本の表紙が出てきたの――。保育園の帰り道、あずがつぶやいた。「それも、どこかで実際に見た映像じゃないかって思うくらい、はっきりとね。夢から覚めても鮮明に覚えてる」。「それどんな絵?」「忘れないうちにスケッチするよ」。 それから3日後…
そもそもなぜ夢見ヶ崎動物公園の絵本をつくることになったのか、というハナシ。 じつは、幸区のプロジェクトがスタートした当時、「絵本」をつくるという発想はなく、地域の施設を紹介する「パンフレット」をつくる予定だった。 パンフレットの構成を企画書…
「あずちゃんのことを紹介したいから、プロフィール文を考えてくれない?」「そうねえ……、パート勤めのふつうの主婦って書いといて(^^♪」。 この絵本の作者であり、絵も担当したあずは、表に出るのが苦手なタイプ。「あず」というペンネームも、本名を明かさ…
地域の歴史をテーマにした物語をつくる。そのためには、時代とともにどんなふうに形を変えてきたのか、時系列で知る必要がある。 この歴史調査で、しょっぱなからつまずいた。なにしろ、これまで家と職場を往復するだけの生活で、地域のことをまるで知らない…
夢見ヶ崎動物公園を舞台にした絵本を制作するにあたって、まず思い浮かべたのが、ニューヨークの動物園を舞台にしたテレビアニメ『ペンギンズ』。個性豊かな動物たちが繰り広げるコメディータッチのファンタジーだ。このストーリーのように、夢見ヶ崎動物公…
2016年8月。フリーライターのわたしは、ある朝、文章が書けなくなった。何の前触れもなく、突然に。最初は自分の状況がよく分からなかった。明日になったら、1日休めば、もとに戻るだろうーー。 ところが、次の日も、その次の日も、何度繰り返しても同じ。…