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【絵本誕生秘話vol.5】武蔵小杉の小さな公園から大きなヒントを得る、の巻

そもそもなぜ夢見ヶ崎動物公園の絵本をつくることになったのか、というハナシ。

 

じつは、幸区のプロジェクトがスタートした当時、「絵本」をつくるという発想はなく、地域の施設を紹介する「パンフレット」をつくる予定だった。

 

パンフレットの構成を企画書にまとめた翌日、あずから連絡があった。「まささん、すんごいもの見つけちゃった!」。電話口の向こうから、興奮した声が飛び込んできた。

 

あずの話によると、仕事で武蔵小杉駅のそばを通りかかったとき、高層マンションの前に小さな公園があった。公園には、散歩道に沿っていくつか看板があり、二羽の小鳥にまつわる物語が描かれている。小鳥が棲む木の巣箱や小道の足あとなど、ストーリーの内容と公園の風景が連動していて、散歩をしながら物語の世界を楽しめる。「こんな感じのことを、幸区でやったらどうかな」と、あず。「いいね、それにしよう!」と即答した。

 

なぜ、武蔵小杉の公園の話にピンときたのか? それは、「物語」というキーワードに、これだ!という直観を感じたから。実際に歩いてみると、ほんの数分で通り抜けられるほどの小さな公園。どこにでもある公園も、物語の舞台になることで、一本の木、小道、水辺が、ちょっと特別な場所のように思えてくるから不思議だ。

 

プロジェクトの企画書を作るとき、まず考えたのは、インターネットの情報があふれている今、紙媒体で伝えたいことは何か、ということだった。お店もイベントも、知りたいことはスマホであっという間に検索できる。

 

ここにしかない魅力を発信するには、土地にまつわる物語を創り、親子で楽しめる絵本にしてはどうか。そうすれば、いつも見慣れた風景がワクワクする場所になる。こうして予定変更。企画書を練り直し、「絵本プロジェクト」が誕生した。