まさ出版の日記③           夢見ヶ崎の夢ファイル

「夢が叶う街、夢見ヶ崎」次はおぬしが夢をかにゃえる番じゃ

ここに来るときはとにかく、”何もしないため、自分を休ませるため”だけの時間を過ごすのが目的 カロリーヌ・ヴォージェルサング(レストランオーナー)

『パリジャンたちの週末の家』エディション・ドゥ・パリ編(アシェット婦人画報社

 フランスの別荘を撮影した写真集 『パリジャンたちの週末の家』。いつも手元に置いているお気に入りの一冊です。仕事の合間や眠る前に、ゆっくり眺めていると、時間と空間をひとっ飛び。南仏の別荘でのんびりヴァカンスを過ごしているような、非日常の気分を味わうことができます。

 南仏の景色が美しいのはもちろん、一番素敵だなと思うのは、パリジャンたちのヴァカンスの過ごし方。休日と言えば、たまった家事をやらなきゃ、家族サービスでレジャー施設へ……というイメージがありますが、それとはまったく異なります。

 「ここに来るときはとにかく、”何もしないため、自分を休ませるため”だけの時間を過ごすのが目的」。

 つまり、パリでの忙しい日常を離れて、「何もしない」ことこそ、別荘に来る本当の目的。ワインを飲みながら、おいしい食事をいただく。本を読み、家族と語り、音楽を聞き、好きなときに昼寝をする。その日の予定を計画したりせずに、心赴くままにやりたいことをする。

 昔から、一週間の七日目を「安息日」と呼び、仕事や家事をしないという習慣があったのだそう。週に一度、「しなければならないこと」を頭から出し、「体と心の声を聞く」モードに切り替える。安息日は、心身に十分なエネルギーを充電するために、昔の人が編み出した知恵なのでしょう。

 別荘はないけれど、おうちで安息日を実行してみよう。週末にふと思い立ちました。 

 2018.7.28(土)朝のランニング&ヨガをすませたあと、さっそく「別荘生活」スタート。土曜日は保育園の送り迎えがないので、腕時計をはずして、一日中時計を見ないで過ごすことにしました。

 ふだんは、朝から家事をするのですが、今日のために洗濯と掃除を前日の夜にすませ、肉や野菜のストックフードを作り置き。タスクリストは頭から出し、何かするもしないも、その時の気分しだい。

「今何がしたい?」

 まず、ホテルのようなフルーツたっぷりの朝食を、たっぷり時間をかけていただき、食後は、手作りのマンゴーラッシー。

 お腹いっぱいになったら、特大のマグカップにたっぷりコーヒーをいれ、ヘンリー・デイヴィット・ソローの『森の生活(ウォールデン)』を手に、窓辺のソファに座ります。外は、曇り空からいつのまにか台風の大嵐。こんな日は外出もできないし、読書にはぴったり。

 お腹がすいてきたら、今度は昼間から自家製サングリアとストックフードの肉とチーズ。図書館で借りてきた本を読みながら、またゴロゴロ。ちょっと罪悪感がわきそうになったら、家事に手を出しそうになったら、自分に言います。

 今日は、休むのが仕事。思う存分、怠けていいよ。

 どのくらい時間がたったでしょう。ふと気がつくと、日が傾き、雨がやんでいました。「あ、この前Nちゃんの家でごちそうになったベトナム風えびのサラダが食べたい」。今日は、思いついたことを好きなように実行する日です。近所のスーパーにふらっと材料を買いに行き、ヴォサノバを聞きながら、ゆるゆる春雨をゆでます。同じ料理でも、朝バタバタ作るのと、こうしてふと思い立ってゆったり作るのでは、まったく気分が違います。

 夜は、ベトナムサラダをつつきながら、家族といっしょにDVDで映画『耳をすませば』を見たり、アイスクリームを食べながら話をしたり。まる一日、非日常の「別荘生活」を満喫しました。これだけ楽しんで、交通費も宿泊費もかからないのだから、とってもお得な気分です。

 3歳児を図書館に連れ出してくれた夫と、「めし!」と言わず、ご飯を自分で食べてくれた子供たちに感謝。

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《ちょっと裏話》

赤毛のアンAtoZ モンゴメリが描いたアンの暮らしと自然』奥田実紀著(東洋書林)によると、カナダにも古くから安息日の習慣があったようです。

「家事には一週間のサイクルがあり、月曜日は洗濯、火曜日はアイロンかけ、水曜日は縫物、木曜日はバターづくり、金曜日はベーキング、土曜日はそうじと床みがき、といった基本的なパターンが、どの家でも定着していた。日曜日は安息日で仕事はできない日だった」。

 当時は、ほぼ自給自足の生活で、家事は相当大変だったはず。それでも主婦は、ちゃんと「安息日」を設けていたのです。ちなみに、「ベーキング」とはパンやお菓子などを一週間分まとめて焼く日だったのだそう。こんな丁寧で、豊かな生活がしてみたい。子供のころから、「赤毛のアン」のお話が大好きでしたが、大人になってもやっぱり憧れの世界です。